【センター】カラッポ
「君はいろんな楽器を知っているでしょう。ピアノ、ヴァイオリン、フルート、トランペット、ホルン、ドラムなどなど。そして、どの楽器にも空洞の部分があって、そのカラッポの空洞の部分があることによって、音が響くのだということも知っているでしょう。打てば響くというのは、中が抜けていればこそで、詰まっていては良い響きも生まれません。 雨の日に水たまりができるのは、そこがくぼんでいるからです。同じように、バケツも鍋も中がくぼんでいてカラッポなので水を入れたりくんだりすることができます。そのように考えてみると、何かが欠けているということ、へこんでいること、くぼんでいること、抜けていることもなかなか捨てたものじゃないと、君にも思えることでしょう。」 （西経一『君へ、そして君のお母さんへ ―教育と家庭の絆―』より）